石油掘削装置 (Oil Rigs)

メキシコ湾の自然資源は、海産物だけではありません。沖合いの海面からそびえたつ建造物が目に入ったと思いますが、これらは石油ガス生産プラットフォームで、石油掘削装置と呼ばれます。このような掘削装置は、メキシコ湾北部には5~6千機稼働しています。

メキシコ湾は、米国産の原油を毎日100万バレル(pbd)以上汲み上げています。これは米国国内生産量の1/4に当たり、世界の石油生産量のおよそ2%に相当します。 

これらの建造物には、海底に油井を掘削して石油およびまたは天然ガスを汲み上げ、陸のパイプラインまで運送する作業に従事する作業員が駐在し、その他必要な装置が設置されています。生産プラットフォームは小さな街ほどの規模があります。エネルギー源、住居、発電すべてがこの建物内でまかなわれ、ここに何週間も駐在する作業員用のレジャー施設もあります。

 ルイジアナの沿岸では、古くから海洋での石油の掘削が行なわれてきました。1937年には、キャメロンの海岸線から1マイルの沖合いに最初のプラットフォームが設置されました。それから10年も経たないうちに、ルイジアナの海岸線から18マイルの「陸から目視できない」沖合いにプラットフォームが建設され、それ以降海洋石油掘削産業は一変しました。この出来事は心理的にも実用的にも、石油探索と生産において新境地を開くきっかけとなりました。

最も一般的なプラットフォームはジャックアップ式プラットフォームです。ジャックアップ式の掘削装置は、移動式のプラットフォームで、海底に複数の脚を打ち付けて建物を支えます。最も一般的なプラットフォームは3つ脚タイプで、4つ脚またはそれ以上の脚を持つタイプもあります。

 

ジャックアップ式は通常、脚を空に向かって突き上げて、バージ部分を水に浮かべた状態で、設定位置まで牽引されます。掘削現場に到着すると、脚は海底に打ち付けられます。バージの重さとバラスト水を利用して脚を改定に固定させます。次に、バージ全体 (掘削装置を含む) が海面以上のレベルまで持ち上げられ、「空間ギャップ」を作ります。この空間があることで、波、高潮、潮流によるバージ部分への影響を防ぎ、脚にだけ負担がかかるように水の影響を抑制することができます。ジャックアップ式の掘削装置は一般的には、水深400フィートまでの場所に設定されます。

 

ルイジアナ州の石油と天然ガス産業は、160億ドル以上の産業価値があるとされています。専門家は手付かずの新しい石油鉱床が深海部分に大量にあると言っています。これはルイジアナにとっては嬉しい発見です。

 

科学者は、石油プラットフォームは多くの魚にとっては安息所のような役割を果たしていると言います。メキシコ湾には、200機以上のプラットフォームが人工リーフとして再利用されています。石油とガスの生産に使用された建造物が、魚というもう一つの天然資源に貢献しています。